PROFILE
地域おこし協力隊 染谷 俊 さん 
所属地域:湯川村
着任年月:2017年4月
出  身:茨城県
活動内容:湯川村での就農に向けた農業研修、イベントや広報等

Q1.地域おこし協力隊に応募したきっかけや、赴任するまで不安だったことを教えてください。

湯川村風景6月地域おこし協力隊4物心ついたころから折に触れ、母の実家がある福島県の会津地方に遊びに来ていて、四方を山に囲まれ清らかな小川があちこちに流れる、自然豊かな風景にずっと憧れを抱いていました。

東日本大震災の際、茨城県にある私の実家では農業をしておらず食料が不足する中で、停電のため外部からの情報が得られない日が続き、いつ食べ物が手に入るのかという不安が家族を襲いました。
その体験以降、自分で米や野菜が作れる農業に大きな魅力を感じ、幼いころから憧れていた風景の中で農業を学ぶ方法はないかと探していたところ、会津地方のほぼ中央に位置する湯川村で、農業振興に携わる地域おこし協力隊を募集中であることを知り、特に、農業に従事し、将来的には農業での自立・定住を目指した研修が受けられることに注目して応募しました。

実は、会津地方で農業に携わりたいと思うようになったのと同時に、住宅や生活に関する不安を感じていました。
農業を行うには農機具の準備や保管場所が必要になってくるため、アパートなどの共同住宅への居住は難しく、戸建ての空き家を借りるにしても、『地元の人間ではない』いわゆるよそ者の自分が借りることができるのか、もし借りられたとしても地域の方々に受け入れていただけるのか不安でした。
更に農家として所得が安定するか分からない以上、生活費などお金の面でも頭を悩ませていました。

湯川村では、地域おこし協力隊の住まいが準備されていることが募集要項に明記してあり、自分が感じていた不安が解消されたのも、応募を決めた大きな要因です。
通常、就農する上で、住居・農地・お金の問題がありますが、地域おこし協力隊として就農に向けて取り組める環境が用意されているのは、着任から任期後の生活への不安が解消される、とても魅力的な支援策だと感じました。
また、地域に溶け込めるかという不安については、居住地区での行事や共同作業に積極的に参加し、地域のみなさんとの関わりをつくることを心掛けました。

Q2.活動内容を教えて下さい。

地域おこし協力隊として、農業振興や地域コミュニティ活性化に係る活動支援に取り組んでいます。
具体的には、湯川村の夏祭りや新米祭といったイベント運営のサポート、農業体験・見学会等の受入支援等を行っています。

居住地区である堂畑集落の野菜農家のみなさんと一緒に企画立案から運営まで行った『堂畑マルシェ(野菜直売イベント)』では、色々なお客様に野菜を購入していただくことによって、自分の任期後にいかせる体験ができたとともに、堂畑集落のみなさんとの繋がりが強くなったと感じています。

私は2017年4月に着任しましたが、村内の幅広い世代に対して自分の活動を知ってもらいたいと思い、2017年6月から毎月『湯川協力隊紀行』という活動紹介記を作り、村の広報誌と一緒に全戸に配布しています。
『湯川協力隊紀行』を読んだ方からお声がけいただけることもあり、自分の活動の紹介だけでなく、コミュニケーションツールとして、これからも発行を続けていこうと思います。

また、実習による農業研修も行っていて、その中で地域の方々から沢山のお声がけをいただき知り合えるようになりました。
自然豊かな景観だけでなく、地域おこし協力隊として外から入ってきた私を気にかけてお声がけくださる方が沢山いるのも、湯川村の素晴らしさだと思います。
地域おこし協力隊になる前の私は用事がない時はあまり外出しないタイプだったので、沢山の方にお声がけいただけるのはとても有難いことです。

その他、facebookページ『湯川村地域おこし協力隊』での日々の活動やイベント情報等の発信、福島県主催の地域おこし協力隊募集イベントや移住相談会等に参加し、地域おこし協力隊へ応募希望の方や移住希望の方からの相談対応も行っています。
今後も活動やイベント情報などを発信していきますので、湯川村の地域おこし協力隊になりたい方、移住に興味がある方は、是非、facebookページ『湯川村地域おこし協力隊』に『いいね!』をお願いします。

Q3.活動を通じて感じている事や、今後の目標を教えてください。

私は、地域おこし協力隊の任期終了後も湯川村に住み続け、地域に根差した農業を行うことを目標としています。

会津地方随一の米どころとして有名な湯川村は、10a(1000㎡)辺り福島県内1位の米の収穫量を誇っています。
出荷時には米の脱穀や精米作業で『もみ殻』や『米ぬか』が大量に発生しますので、それらを自然肥料として無駄なく再利用したいと考えています。
そして、できる限り農薬の使用を控えた野菜を作り、大勢の方に食べていただきたいと思っています。

湯川村には年間100万人以上の方が訪れる『道の駅あいづ 湯川・会津坂下』があり、2014年10月にオープンしたこの道の駅は、湯川村と隣町である会津坂下町の2つの自治体が共同で道の駅を整備した全国初の道の駅で、東北初となる水防拠点『河川防災ステーション』を備えていることもあり、注目を集めています。

道の駅構内には採れたての会津伝統野菜やオーガニック野菜、切り花や鉢花など、自分の農作物を販売できる『農産物マーケット』というコーナーや、地元の農作物を料理して提供する『農家レストラン』が設けられているので、小規模での有機農業を考えている方に適した環境だと感じています。

Q4.応募を検討している方へアドバイスをください。

農業とは無縁だった方が、移住をして農業を生業にし、新規就農を考えた時、住居の用意、農業技術の習得、農業用地の取得は大変なことだと思います。
また、多くのリスクを背負う可能性を感じ、農業を生業とすることを諦めてしまう方もいるかと思います。

ですが、湯川村には地域おこし協力隊へのサポートの一環として、住居の家賃負担や農業研修の用意があり、新規就農への不安を解消してくれます。
また、3年間という地域おこし協力隊の活動期間の中で「自分は農業で暮らしていける」と確信がもてれば、新規就農時の農業用地取得に関するサポート等も受けられます。

「農業で暮らしたいが自分にできるだろうか」と応募を迷っている方は、是非、湯川村産業建設課商工観光係に応募前の体験・見学をお申込みいただき、湯川村に来て私と一緒に地域おこし協力隊の活動を体験してください。みなさんのお越しをお待ちしています!


関連リンク
湯川村ホームページ
湯川村地域おこし協力隊Facebook
道の駅あいづ 湯川・会津坂下