福島県には、地域の風土・気候に根ざし、歴史を紡ぎながら、地域の「宝」「誇り」として脈々と受け継がれてきた工芸品や特産品などの伝統産業が数多く存在します。
しかし、残念なことに、伝統産業分野においても都市への人口流出や少子高齢化が進み、伝統産業に携わる方々の高齢化・後継者不足が深刻な問題となっています。
そこで、福島県では、地域に残る伝統産業の未来を担う「地域おこし協力隊」を、募集します。
会津塗とは
会津の地に本格的に漆工芸が根付いたのは、天正18 年(1590 年)、豊臣秀吉の命を受けて会津の領主となった蒲生氏郷(がもう うじさと)公が、産業として漆工芸を奨励したことによるとされています。氏郷公は、前の領地であった日野(滋賀県)から木地師や塗師を呼び寄せて、先端技術を伝承させたため、会津塗の技術は飛躍的な進歩を遂げ、漆の栽培から加飾までを一貫して手がける一大産地となっていきました。
このように日本有数の漆器産地となった会津では、自然が生み出す良質の木地と漆のツヤを左右するといわれる盆地特有の気候、そしてその時代時代の職人達の頑固なまでの職人気質によって会津塗が受け継がれ育まれてきました。
その中でも喜多方市における会津塗(「会津喜多方漆器」)は、農閑期の農業の副業として製作を行う塗職人が多いのが特徴で、戦前には400 人ほどの職人がいたといわれます。会津若松市内で生産される漆器に対し、会津喜多方漆器は北方椀と呼ばれる椀類を主とした「丸物」を中心に生活に根付いたものが多く、喜多方市内の小中学校では、給食用の食器として漆器を採用しています。また、市の政策の一環として漆の木の栽培にも力を入れています。
しかしながら、近年、職業選択の多様性や生活様式の変化などにより、漆器職人を目指す人は年々少なくなり、今では、喜多方市内で塗職人として活動する方は4名となり、受け継がれてきた技術・技法の伝承が危ぶまれています。
制度名 |
地域おこし協力隊 |
業務概要 |
伝統の技をいかして会津喜多方漆器の職人として従事又は独立・起業することを目標に、以下の事業の推進に当たります。
業務詳細
- 喜多方市内の漆器職人の指導を受け、会津喜多方漆器に関する基礎知識、製作工程全般における基礎的な技術の習得
- 会津喜多方漆器のブランド価値の向上に向けた商品開発研究(新たなデザイン、企業やアーティスト等とのコラボレーションなど)及び市場ニーズの把握、販路開拓のための取組
- 会津喜多方漆器に関する情報発信とPR(SNS等による情報発信、県内外のイベントへの出展、会津喜多方漆器を活用したイベントの企画運営等)の実施
- その他、喜多方市の地域活性化及び会津喜多方漆器の新たな可能性に挑戦する業務
期待する成果
- 会津喜多方漆器の知識・技術の習得や漆器を活用した商品開発等による地域への定住・定着(職人としての就業又は起業のほか、地元企業に就業しながら副業として漆器の生産を行うなど)
- イベントやSNS等による情報発信、体験型観光などによる会津喜多方漆器の認知度及びブランド価値の向上
- 会津喜多方漆器や地域資源を活用した生業の創出
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募集対象 |
- 漆器に興味を持ち、その継承と発展、付加価値の創出に強い志を有し、提出日時点で年齢20歳以上かつ心身共に健康な者
- 3大都市圏内の都市地域(※1)又は地方都市(条件不利地域(※2)を除く)に居住する者(※3)で、採用後、勤務地に住民登録し、生活の拠点を移すことが可能な者
※1 「3大都市圏」とは、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、岐阜県、愛知県、三重県、京都府、大阪府、兵庫県及び奈良県の区域の全部
※2 条件不利地域とは、次の①~⑦のいずれかに該当する地域とする。
①過疎地域自立促進特別措置法、②山村振興法、③離島振興法、④半島振興法、⑤奄美群島振興開発特別措置法、⑥小笠原諸島振興開発特別措置法、⑦沖縄振興特別措置法に指定された地域。
※3 次のいずれかに該当する者は、居住地要件の例外として扱う。
・これまで地域おこし協力隊として2年以上活動し、かつ、解嘱から1年以内である者
・語学指導等を行う外国青年招致事業(「JETプログラム」)を終了した者で、JETプログラム参加者として2年以上活動し、かつ、JETプログラムを終了した日から1年以内である者
詳しくは、総務省地域おこし協力隊のページをご覧ください。
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/02gyosei08_03000066.html
- 普通自動車運転免許を有し、県内及び近隣県への運転業務に支障がない者。
※福島県内での生活や移動手段として自家用車は必要不可欠です。自家用車の持ち込みをお勧めします。
- ワード、エクセル、パワーポイントの基本的な操作ができる者
- 観光、物産等の情報をSNS等で発信できる者
※ 大学又は専修学校等において、美術工芸に関する教育を受けた者、又は美術工芸等に関する職務経験を有する者であればなお可 |
募集人数 |
2名 |
勤務地 |
会津喜多方漆器商工協同組合
(福島県喜多方市古寺8625-10) |
勤務時間 |
- 勤務日:月17日
土、日、祝日及び12月29日から翌年1月3日までは休日となります。
また、休日出勤の場合は勤務日を振り替えます。
- 勤務時間:午前8時30分から午後5時15分まで
(1日につき7時間45分を超えない範囲において、1週間につき29時間以内で始業時刻及び終業時刻を別途割り振ります。また、休憩は1時間とします。)
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雇用形態・期間 |
福島県と喜多方市が協同で設置するため、県及び喜多方市のそれぞれから委嘱します。委嘱する場合、採用日から12か月目までは福島県が定める身分となり、採用日から13か月目以降は市町村が定める身分となります。
なお、福島県での身分は、採用日から令和2年3月31日までは福島県の非常勤特別職(嘱託員)。令和2年4月1日以降は、地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律に基づき、会計年度任用職員に移行予定です。
また、13か月目以降の市町村での身分についても同様に会計年度任用職員となる予定です。
※会計年度任用職員は、地方公務員法上の服務に関する規程が適用されます。
※地域おこし協力隊は複数年(最長3年)活動できますが、委嘱は年度単位となります。 |
給与・賃金等 |
報酬日額 9,640円
通勤手当相当額(月 2,400円を限度)を支給
なお、原則、賞与、退職金及び各種手当はありません。
(※住居については、勤務先となる受入団体が借り上げる予定ですが、家賃の額によっては一部自己負担があります。) |
待遇・福利厚生 |
- 年次有給休暇等があります。
- 健康保険、厚生年金保険、雇用保険に加入します。
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申込受付期間 |
令和元年7月18日(木)から10月31日(木)まで
なお、一定数の応募があった場合は、その都度選考を実施します。選考の結果、採用候補者が決定した場合は、その時点で募集を終了します。
直接持参の場合の受付は、期間内の土曜日、日曜日及び祝日を除く日の午前8時30分から午後5時15分まで、郵送の場合は、応募期間最終日必着となります。 |
審査方法 |
- 応募方法
採用を希望される方は、福島県地域振興課ホームページより必要書類をダウンロードの上、直接持参、又は郵送によりお申し込みください。(「特定記録」等により、確実に応募書類の配達を確認できる手段の利用をお勧めします。)直接持参の場合の受付は、期間内の土曜日、日曜日及び祝日を除く日の午前8時30分から午後5時15分まで、郵送の場合は、応募期間最終日必着となります。
なお、応募期間内であっても、一定数の応募があった場合は、その都度選考を実施します。選考の結果、採用候補者が決定した場合は、募集を終了します。
※応募書類の返却はしませんので御了承ください。提出された履歴書の個人情報は、個人情報保護条例により、厳重に管理します。また、取得した個人情報は採用のためだけに使用し、目的以外に使用することはありません。
- 選考方法
(1) 書類選考
提出された履歴書等やレポートによる選考を行います。結果は、履歴書に記載された現住所へ郵送により本人あて書面でお知らせします。
なお、書類選考の合格者に対しては、併せて電話等により連絡しますので、連絡がとれる電話番号、メールアドレスを履歴書に記載願います。
(2) 面接試験
書類選考の合格者に対し、面接を実施します。
日時、場所等については、上記(1)の書類選考の結果通知に併せてお知らせします。
- 採否
面接から10日程度を目安に、郵送により本人あて書面でお知らせします。
- 着任
令和元年10月以降(※)
※採用者の個別事情を考慮します。
- その他
上記(1)及び(2)の結果に対する問い合わせ等は、一切受け付けません。
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参考URL |
http://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/11025b/aizunuri.html |
備考 |
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お問い合わせ先 |
福島県企画調整部地域振興課(担当:高橋・藤本)
福島市杉妻町2-16 (本庁舎5階)
電話:024-521-7114
E-mail:tiikishinkou@pref.fukushima.lg.jp
【郵送の場合】
〒960-8670 福島県企画調整部地域振興課 あて(住所不要) |