PROFILE

地域おこし協力隊 安藤 奈菜 さん 
所属地域:金山町
着任年月:2018年3月
出  身:福島県
活動内容:町の観光物産協会で観光振興

Q1.地域おこし協力隊に応募したきっかけや、赴任するまで不安だったことを教えてください。

小さい頃から実家の田んぼや畑仕事を手伝うことが多く、自然が多い環境で育ってきたので、自然の中でのスローライフに憧れを感じていました。
協力隊に着任する前は会社に勤め、労務事務をしていたのですが、社内の方々の話を聞く中で、“働く”ということに対して色んな価値観があるということを感じ、そこで自分の働き方や生き方について考えるようになりました。本当は自然の中で家族やその地域など身近な人のためになるような仕事をしながら暮らしたい、けれど毎日遅くまで仕事をする今の暮らしで良いのか、と。
そんな時、金山町に遊びに来る機会があり、そこで農作業体験と地域のお母さん方の豚汁づくりをお手伝いさせていただいたのですが、とても楽しくて。金山町の方々の魅力と手つかずの豊かな自然に惹かれて、ここで暮らしたいと思いました。そう考えた時に地域おこし協力隊は魅力的で私にぴったりの制度でした。

不安はやはり雪国での暮らしでした。冬は雪がたくさん積もると聞いていたので、雪道運転や雪かきなどうまくやっていけるかと。でも、金山町は協力体制もしっかりしていて、赴任後初めて大雪となった日は慣れない雪かきを地域の方々が手伝ってくださいました。近所の方々のおかげで冬も乗り越えられましたね。
その他にもさまざまな場面で助けていただき、皆さんのあたたかさが嬉しい毎日です。


Q2.活動内容や実際に暮らしてみた印象を教えてください。

今では暮らしにも大分慣れ、雪だけでなく苦手だった虫にも強くなりました!(笑)
活動面では、受入れ団体である観光物産協会の方に仕事面でも生活面でもサポートしていただきました。私が仕事しやすく地域に溶け込みやすいように、意識的に色々なところに一緒に連れていってくださり、地域の方とつながるきっかけをつくっていただけたことはとても助かりました。

まず着任1年目は、地域内外の方々に町のことを知ってもらうとともに自分自身も「金山町をよく知る」を目標に、観光物産協会としての仕事を中心に物産販売や町のPRイベントなど、町内外のイベントにはたくさん参加しました。
そして2年目は周りの方々がどういうことを求めているのかなど、自分なりに感じたことをもとに、外から呼び込んできた方々の受入れ体制を整えたいと思い、着地型観光として、金山町だからこその資源を使った体験型メニューを町の方に協力していただきながら企画・実施しています。
その一つが、ミツバチの巣から採取した『蜜蝋』で作った町伝統の「蜜ろうそく」の絵付け体験です。他のイベントとコラボしたり、海外の方や、観光客だけじゃなく町内の保育園でお子さんたちにも楽しんでいただいています。
開催場所として町の中でも皆の憩いの場となっている“スナック”もお借りしています。窓から見える只見川と只見線の駅の景色も良く素敵な場所なので、ぜひ使わせていただきたいとスナックのママにお願いしたところ快諾していただき、体験時にもたくさんご協力いただいています。
現在、他の企画も地域の方々に相談をしながら準備中です!


Q3.活動を通じて感じている事や、今後の目標を教えてください。

地域をより元気にしていくための取組はやはり町の皆さんが主役なので、何かを行うにしても皆さんが実際に関わっていけるようなシステムづくりが重要だと考えています。
最初は様子見の方も楽しそうに取り組んでいるのが伝わると「自分も手伝ってみようかな」と思ってくださるようで徐々に協力してくださる方も増えてきました。そのようにどんどん巻き込むかたちで、身近なところからコツコツと成功事例を積み重ねていくというスタイルで進めていきたいと思っています。
3年の任期はあっという間に過ぎていくので、出来ることからやってみて、必要に応じて軌道修正したり、やれることを拡げたり、町の皆さんと一緒に試行錯誤しながら他のイベントなどもつくっていきたいですね。

実は主人も金山町で農業振興の協力隊をしていたのですが、今は卒隊をして、自分の田んぼを持ってお米をつくっています。
将来二人でずっとここで暮らしていくと決めているので、生活をしていくために、主人のサポートもしつつ、自分自身もネットワークを広げながら活動を頑張っていきたいです!
今はまだ別々の活動をしていますが、今後は、二人が携わってきた活動分野やつながりをいかして、「農業×観光」をテーマに、町の皆さんと一緒に、夫婦でかたちにしていきたいと思っています。

Q4.応募を検討している方へアドバイスをください。

実際に協力隊として活動してみて、着任する前にもっと色々と聞いておけばスムーズに進められたかもしれないなと思うことがあったので、行政の担当者や受け入れ団体の方とよく話をしておくことが一番大事だと思います。そしてもっと言えば、地域住民と関わる機会がもてるとより活動が始めやすいです。

自分のやりたいことや想いを伝え、地域をどうしていきたいかなど具体的な考えを先にしっかり聞いておく。それも疑問がなくなるくらい聞いてみる。そうすると、それに対して情報を集めておけるし、準備もしておけるので、最初の不安も解消できると思うんです。

そして、地域の皆さんの想いと自分の想いのすり合わせをすることで、地域のために自分が何が出来るのか、どう歩み寄って想いをかたちづくっていけば良いのか、ということがイメージしやすいはずです。そこで聞いたことをもとに、よく考えて検討することも重要だと思います。


関連リンク

金山町ホームページ
金山町観光物産協会ホームページ
金山町観光物産協会(福島県奥会津)Facebook