PROFILE
直江7

地域おこし協力隊
直江 春菜 さん 
所属地域:棚倉町
着任年月:2020年9月
出  身:石川県
活動内容:図書活動の推進

地域おこし協力隊 × 学校司書

~どうして棚倉町で地域おこし協力隊なんですか~

学校図書館教育が盛んな地元(金沢市あたり)で学校司書の勤務経験があって、どこか他にもないかと司書専門の求人サイトで探していたら、棚倉町で司書の募集をしていました。「お気軽にお問合せください」と書いてあったので問い合わせ、地域おこし協力隊として勤務するという話で「それってなんですか?」と役場の方に聞いたくらい協力隊については知りませんでした。

0からつくる学校司書

~仕事はどのように始まりましたか~

指示された仕事は棚倉町内5つの小学校を日替わりで司書として回ることです。今まで棚倉町には学校司書がいませんからなかなか連携が取れませんでした。まず図書室の本の整理、年1回の本の購入で選書の相談に乗ったり一任されたり、先生に授業で使える本を提案したり、校長先生や他の先生と相談しながら要望を聞いて仕事を進めました。学校司書の仕事はこんなことができるよと説明しながら受け入れの体制、業務内容を自分で作っていき、最初は5校もできるのかなと思っていたけど、中学校にも行きたい、幼稚園にもと広げていきました。

子どもたちに本を届ける

~子どもたちとの付き合い方は~

例えば小6の授業で宮沢賢治『やまなし』をあつかう時、他の著作のあらすじを紹介したり、宮沢賢治クイズをしたりとブックトークをします。本が好きな子、嫌いな子、こども一人一人それぞれに段階を踏んで対応できます。わんこそばのように積んでいけます。

こんな風に授業に混ざって、給食時間の校内放送で読み聞かせ、カレーを食べているときにカレーの本を読んだりします。子どもたちや先生から感想をもらいまたブックトークをします。

学校の先生から「直江先生と本の話をしているとき、子どもたちの目がきらきらしている」と言われました。本が苦手な子は本を読んだ経験がないだけ、本が嫌いな子はいないと思っています。どんどん本は紹介できます。

ナナメの関係

地元の修明高校の地域連携事業に協力して読み聞かせのボランティアを養成する講座を企画、講師として参加しました。高校生が高野幼稚園の園児たちを修明高校に招待して絵本の読み聞かせをしてくれました。

今の学校は授業外での子どもへの支援が必要とされています。クラスで少しうまくいかなくてクールダウンが必要な時、保健室だけではなく図書室へ来るような子もいてその子のケアをするのも学校司書の仕事です。子どもが相談できる場としての図書室、相談相手は司書です。

親や先生とのタテの関係、友達とのヨコの関係、司書はナナメの関係なのです。この学校司書の立ち位置にはすごくこだわってきました。


直江先生の居場所が子どもたちの居場所

~棚倉町立高野小学校 戸倉校長先生からもお話しいただきました~

いっぱいあるけど少しだけ。

高野小学校41名の児童すべてにあった選書をしてくれます。親子読書会では保護者の方から選書を頼まれ、読書感想文のことも安心して相談していた。直江先生の影響は学校から家庭へ、地域へと広がっていった。

高野幼稚園の園児を修明高校に招待してもらい、読み聞かせボランティアの高校生と絵本の読み聞かせや手遊びで一緒に遊ぶことができた。園児が地元のお兄さんお姉さんに出会うことができた。地域にはこういう人がいる、こういう学校があることを知りました。これをきっかけに修明高校が小学生の体験活動を応援してくれる事業に応募してみようと思いました。

地域おこし協力隊の学校司書として本とひとをつなぐだけでない、ひととひととをつなげてくれた。うちのような小規模校は教育に限らないたくさんの人の支援が必要です。直江先生に相談するとあんな人こんな人とスペシャルな人を紹介してくれる。

直江先生がいると安心できる、子どもも私たちも。先生の居場所が子どもたちの居場所になっていました。あらためて話してみると本当にいろいろとやってくれました。協力隊として学校司書として新しい仕事をつくってくれました。