PROFILE |
地域おこし協力隊 下條 真輝 さん 所属地域:いわき市 着任年月:2019年8月 出 身:神奈川県 活動内容:コミュニティハウス「HITO-TABI」での子ども預かり |
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Q1.地域おこし協力隊に応募したきっかけや、赴任するまで不安だったことを教えてください。
妻がいわき市出身で、結婚前からいずれはいわき市に戻り子育てをしたいと話していました。情報収集のため、福島県が主催する移住イベントに参加した際、地域おこし協力隊の制度を知り、興味を持ちました。
子どもが好きで、前職は神奈川県で子どもの習い事教室の講師をしていましたが、直接子どもに関われる時間は週に1コマ90分の授業のみで、その準備のために多くの時間を費やしていたことに物足りなさを感じていました。
移住先では、子ども一人ひとりと密に関わりながら地域の自然や資源を活かした自然体験教室など、自由に遊んだり学べる環境を作りたいと思っていたところ、いわき市の田人地区で子ども預かりの協力隊の募集が開始されることを知り、自分のやりたい事にピッタリだと思いました!
協力隊として着任する前は地域の方になじめるかが不安でしたが、同じ地域に先輩協力隊員が居てくれたおかげで、よそ者に対しての抵抗感なく、地域の皆さんには温かく迎えていただきました。
協力隊担当の行政の方や先輩協力隊員が、地域の受け入れ態勢の基盤を作ってくれていたのは、とてもありがたかったです。
Q2.活動内容や実際に暮らしてみた印象を教えてください。
普段の活動は放課後の子ども預かりがメインです。学校が終わる頃に車で学校に迎えに行き、親御さんがお迎えに来るまで、コミュニティハウス「HITO-TABI」で一緒に遊んだり、勉強を見たりしています。
夏休みや冬休みの長期休暇の際は、子ども達を1日預かるのですが、2019年から2020年の年末・年始は、小学生を対象としたイベントを4日間行いました。
登山やネイチャークラフト、カレー作りや書初め教室、凧作り体験やお正月遊び、餅つき大会やロープワークなど、毎日異なるプログラムを実施し、4日間で延べ64名の参加者が集まりました。
凧作りでは、同じいわき市の遠野地区で遠野和紙の技術継承を行う協力隊にも講師として参加してもらい、地域の方々にもボランティアとしてご協力いただきました。
着任して約半年ですが、地域の方の知り合いも増え「頑張ってるか!」と気にかけていただたり、学校に顔を出せば「しもさーん!」と子供たちが駆け寄って来てくれるので、充実した毎日です。現在は、夏に向けて2泊3日の子供キャンプや山の中映画祭など、楽しいイベントを計画中です。今後更に活動が充実していくので今からワクワクしています!
暮らしについては、思い描いていた通りの田舎暮らしが出来ています。住まいは、山の中にあるログハウス風のポツンと一軒家で、自然を身近に感じながら、都会にない不自由さも楽しんで生活しています。
生活用水は水道水ではなく沢の水を引いているので、2019年10月に発生した令和元年東日本台風の時には水害で3週間も断水になってしまい、ご近所さんのお風呂や洗濯機を借りて過ごしていました。地域の方々から「水汲んでいきな!」と声をかけていただいたりして、助けてもらいながら生活をしました。
Q3.活動を通じて感じている事や、今後の目標を教えてください。
どうしたら地域のためになるかを考えるようになりました。
協力隊として着任した当初は、3年後のビジョンとして、自然があるから自然体験教室を行い、その運営拠点としてゲストハウスを作ろうと考えていました。しかし、地域の方の声や気持ちを知り、日が経つにつれ考え方が変わってきました。
田人地区の方々は自分の住んでいる所を綺麗にしようという思いが強く、住みよい環境を作りたいと思っている方が多くいる一方、地域の高齢化や人口減少で管理の手が足りないという声を聞きます。また、令和元年東日本台風の際は、山を整備できていないことで土砂崩れが発生し、田人地区も甚大な被害を受けました。そういった状況を目の当たりにし、地域や子どもたちのために自分は何ができるのか、本当に自分がやるべきことは何なのかを考えるようになりました。
子ども達が遊び、学べる自然環境を維持し続けるためにも、今後は田人地区の里山づくりを進めていきたいと思っています。ボランティアなど外からの風を入れながら里山の整備を進めたり、整備した山を維持し続けるためにも、多くの方々に関わっていただくことで、維持し続けるサイクルを生み出させればと思っています。
Q4.任期後のビジョンについて教えてください。
協力隊任期後は夫婦二人で里山の整備団体、兼自然体験活動の運営団体を立ち上げたいと思っています。
協力隊任期中に土地を探して、拠点となるログハウスを建てることも視野に、今度ログハウス建築の研修を受ける予定です。
「ログハウスの拠点を作ろう!」というイベントにして、色んな人に関わってもらうのも良いかと思っています。みんなで建てた場所なら楽しいし、協力してくれた人たちにとっても特別な場所になる。みんなが来たくなる場所になったらとても嬉しいですね!
妻は国際ボランティアも受け入れたいと言っているので、国内外問わず様々な人が田人地区に集まるようになれば、更に楽しくなりそうです。
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