今回のインタビューは南相馬市地域おこし協力隊の本田奏さんです。

関東でフリーカメラマンをしていた本田さん。南相馬市小高区に移住し、地域の方とのつながりを深めながら、まちの魅力発信や移住支援に取り組んでいます。

そんな本田さんが出会ったのは、震災前まで地域に親しまれていた写真館「studioミウラ」。そこを引き継ぎ、思い出を残せる場所として再生させることを目指し準備を始めました。

まちの一員として地域の方との信頼を築きながら、小高で新たな一歩を踏み出した本田さんにお話を伺いました。

(インタビューは動画、文章のどちらでもご覧いただけます。)

PROFILE

地域おこし協力隊
本田 奏 さん
 
所属地域:南相馬市
着任年月:2023年11月~
出  身:東京都
活動内容:小高区の魅力発信、移住コンシェルジュ

Q.南相馬市の地域おこし協力隊になったきっかけ

2023年1月に夫婦で「おだかぐらし体験ツアー」に参加しました。その時にアテンドしてくださった方に、南相馬市で地域おこし協力隊を募集していることを教えていただいたのが協力隊に応募するきっかけでした。

当時は神奈川県に住んでいて、写真館を開業するためのスタジオを探していたのですが、物件探しなどが思うようにいかず停滞していた時期でした。そんなタイミングで「おだかぐらし体験ツアー」に参加したんです。

将来的に写真館を開業することを見据える中で、地域と関わりながら協力隊として活動していくことが自分に合っているのではないかと感じ、応募を決意しました。


Q.どんな活動を行っていますか?

南相馬市の小高区を中心とした魅力発信の活動を行っています。媒体としては主にInstagramや市内に配布する広報誌の作成をメインに行っています。他には、移住した自身の経験を活かして移住検討者や移住者の窓口対応も行っています。

Q.活動の魅力・やりがいについて

人と話したり、子どもたちと一緒に遊んだり、もともと人と関わることが好きなんです。
現在は「行政」という立場でもありながら、主に行政区長さんや地域の皆さんと関わりを持ちつつ、小高の魅力を発信する活動を行っています。


「どうすれば小高の魅力が伝わるか」を皆さんと一緒に模索しながら、自身の写真の経験も活かして取り組んでいます。

活動の中では悩むことも多いのですが、行政の担当者の方がとても親身になってアドバイスをくださるので、試行錯誤を重ねながらも、楽しく充実した日々を過ごしています。

Q.小高での暮らしや地域の方との関わりについて

私が協力隊として小高に配属されたことを知った五区行政区の区長さんが、私はその行政区の一員ではないのに地区のイベントに招待してくださいました。それがきっかけで、「行政区」を身近に感じました。

行政区に加入すると、地域の皆さんに温かく迎えていただき、そこからさまざまなイベントへの参加や、写真撮影の依頼をいただくようにもなりました。
地域の中で少しずつ顔が知られるようになり、口コミでつながりが広がっていったことを実感しています。

イベントに招いていただいたり、自ら取材に出向いたりする中で、地域の方との関係がどんどん深まっていくのが楽しいんです。
小高の皆さんは優しくて面倒見の良い方ばかりなので、凄く助けられているなと感じています。


Q.今後の目標について教えてください

任期中に見つけた写真館「旧studioミウラ」は、震災前まで営業されていた場所で、ご縁があり現在はそのスタジオをお借りしています。将来的には購入し、写真館として再オープンする予定です。

2027年春のオープンを目標に、協力隊の任期中にさまざまな準備を進めながら、少しずつ形にしていければと考えています。

晴れてオープンできた暁には、「小高で写真を撮るならここだよね」と地域の皆さんに愛される写真館を目指していきたいと思っています。



地域の方にお話を伺いました
南相馬市小高区の一区行政区長 山際一義さん(右)

Q.本田さんとの関わりや印象を教えてください

私は行政区の区長をしているのですが、本田さんが移住されてきたときに「こちらの行政区にお世話になります」と挨拶に来られたんです。

本田さんはハキハキしていて、奥ゆかしいところもあるんですが、芯のしっかりした方だなという印象を持ちました。

Q.本田さんの活動についてどのように感じていますか

東日本大震災から14年が経ちますが、小高では「復興」という形で新しいお店がなかなか生まれにくいのが現状です。

震災前に営業されていた「studioミウラ」さんは、ここで撮影をされたご家族にとっては記念の場所であり、思い出の詰まったフォトスタジオだと思います。

そのような大切な場所を本田さんが引き継ぎ、再び息を吹き込んでくださることは、そのご家族にとってかけがえのない宝物だろうと思います。
本当にありがたいことだと感じています。

Q.本田さんへ応援メッセージをお願いします!

本田さんは小高に来てまだ間もないですが、人柄が凄く良いので地域の皆さんに好かれるのではないかと思います。
しっかりと根を下ろして、地域の方々の記念や思い出となる写真を残していただきたいと思います。

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