会津の地に本格的に漆工芸が根付いたのは、天正18年(1590年)、豊臣秀吉の命を受けて会津の領主となった蒲生氏郷公が、産業として漆工芸を奨励したことによるとされています。氏郷公は、前の領地であった日野(滋賀県)から木地師や塗師を呼び寄せて、先端技術を伝承させたため、会津塗の技術は飛躍的な進歩を遂げ、漆の栽培から加飾までを一貫して手がける一大産地となっていきました。このように日本有数の漆器産地となった会津では、自然が生み出す良質の木地と漆のツヤを左右するといわれる盆地特有の気候、そしてその時代時代の職人達の頑固なまでの職人気質によって 会津塗が受け継がれ育まれてきました。
その中でも喜多方市における会津塗(「会津喜多方漆器」)は、農閑期の農業の副業として製作を行う職人が多いのが特徴で、戦前には400人ほどの職人がいたと言い伝えられています。会津若松市内で生産される漆器に対し、会津喜多方漆器は北方椀と呼ばれる椀類を主とした 「丸物」を中心に生活に根付いたものが多く、喜多方市内の小中学校では、給食用の汁椀として漆器を採用しています。また、市の政策の一環として漆の木の栽培にも力を入れています。
しかしながら、近年、職業選択の多様性や生活様式の変化などにより、漆器職人を目指す人は年々少なくなり、今では、市内で漆塗り職人として活動する方の減少と高齢化により、受け継がれてきた技術・技法の伝承が危ぶまれています。
そこで当市では、令和元年度に地域おこし協力隊を採用し、3年間に渡り会津喜多方漆器の技術修得や新商品開発、PRに取り組み、任期終了後の独立・定着を図ったところです。それでもなお、漆器産地として今後も伝統を守っていくためには、引き続き職人の育成が必要となっています。
■こんなことを協力隊に求めています!
今回募集する地域おこし協力隊についても、任期終了後は、伝統の技をいかして会津喜多方漆器の職人として従事又は独立・起業することが目標となります。地域おこし協力隊の任期中は、会津喜多方漆器の職人の指導のもと、漆塗りの技術習得をしながら、漆掻きにも取り組んでいただきます。これらの活動を通じて、漆器に関わる様々な工程を学ぶとともに、市内外の幅広い漆器作品等に関する造詣を深め、既成概念にとらわれない漆器の新たな可能性を追求します。併せて、会津喜多方漆器の魅力を広く伝えるため、イベント等への参加やSNS等による情報発信を行います。
会津喜多方漆器の技術継承に強い意欲をもって活動いただける方のご応募をお待ちしています。
■活動場所の紹介
主な活動場所は、会津喜多方漆器商工協同組合事務所(喜多方市字古寺8625番地10)です。
事務所内に漆器製作に必要な機材があり、前任の隊員もここで技術習得に励みました。
また、市内の漆林での漆掻き作業もあります。
■私たちがサポートします!
配属先(受入団体)となる会津喜多方漆器商工協同組合の組合員や市役所地域振興課の職員が、業務に関することのほか、移住者として不慣れな土地での生活面のフォローなど、あなたの活動をサポートさせていただきます。技術講習については、組合員である漆器職人や必要に応じて組合員外の指導者からの指導を受けます。
また、ほかの喜多方市地域おこし協力隊との定例ミーティングも実施しており、隊員同士の交流が盛んです。
各種研修については、福島県や総務省などが主催する地域おこし協力隊向け研修、このほか個別業務で必要となる研修の受講が可能です。
■卒隊後に向けてこんな支援をします
・市の職員が、地域おこし協力隊OB・OGの事例も踏まえて、隊員と相談しながら、卒隊後に向けたサポートをします。
・卒隊後に向けて、市の創業支援セミナーなど、起業に向けた研修の受講が可能です。
・協力隊3年目、任期終了1年目に起業する場合、起業に要する費用1,000,000円を補助します。
■喜多方市ってこんなところ
福島県の北西部、会津盆地の北部にある、人口4万3千人ほどのまちです。喜多方ラーメンが全国的に有名で、市内に100軒近くのラーメン店があり、年間180万人を超える観光客を迎える観光地です。
自然に囲まれた、会津地方北部の中心的なまちで、スーパーや病院、高校があり、生活に必要なものは市内で揃えることができます。
気候は、盆地特有の寒暖差があり、四季がとてもはっきりしています。春のしだれ桜、夏は高原のひまわり畑といった花々は絶景で、秋は稲穂が実り、冬は雪景色となる、四季折々の魅力を感じることができます。
■お知らせ
地域おこし協力隊への応募前に活動地域や生活環境確認のため、希望者に対し、現地案内を実施していますので、お気軽にお問い合わせください。
応募条件等
制度名 | 地域おこし協力隊 |
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業務概要 |
【主な業務】 【3年間の活動イメージ】 ■1年目 【1年目の1週間のスケジュールイメージ】 ■2年目 ■3年目 |
募集対象 |
次の(1)、(2)の要件を満たす方。 (2)次のいずれにも該当しない方 |
募集人数 | 2名 |
勤務地 | 会津喜多方漆器商工協同組合事務所(喜多方市字古寺8625番地10) |
勤務日数・時間 | 週4日勤務。 通常の勤務時間は、8:30~17:15(途中昼休み1時間) ただし、土日、祝日又は勤務時間外に勤務をした場合は、勤務日及び時間等の振替を行います。 ※6~10月は漆掻き実施のため、4日に1回程度、漆林での作業があります。天候等にもよりますが、勤務日の振替等、通常の勤務時間以外の勤務が想定されます。 |
雇用形態 |
パートタイム会計年度任用職員(地方公務員法第22条の2第1項第1号)として市が雇用 |
雇用期間 | 当初の雇用期間は、採用日から2024(令和6)年3月31日まで。 年度ごとに雇用延長し、採用日から最長3年間の活動を想定。 地域おこし協力隊員としてふさわしくないと市長が判断した場合は、任期中であっても任用を取り消す場合があります。 |
給与・賃金等 | 164,640円/月 市の基準により通勤手当相当額・期末手当を別途支給します。 所得税及び健康保険・厚生年金・雇用保険への加入に伴う保険料等の本人負担分が控除されます。 |
待遇・福利厚生 | ・社会保険加入 ・有給休暇、特別休暇 ・住居は、市(受入団体)が借り上げる予定です。家賃は、原則として月額30,000円を上限に市(受入団体)が負担しますが、上限を超える場合は、一部自己負担が生じます。光熱水費や家財等への保険料は本人負担となります。 ・協力隊3年目、任期終了1年目に起業する場合、起業に要する費用1,000,000円を補助します。 |
申込受付期間 | 2023(令和5)年6月16日(金)から8月21日(月)まで。 ※採用が決まり次第募集を終了します。 なお、募集期間経過後においても募集人数に満たない場合は、その都度選考を行います。 |
審査方法 | 募集期間中であっても、一定数の応募があった場合は、その都度選考を行い、合否を決定します。 選考の結果、採用が決定した場合はその時点で募集を終了します。 (1)第1次選考:書類選考 提出された履歴書と応募用紙により書類選考を行い、応募者には結果を文書で通知します。 (2)第2次選考:面接選考 書類選考の合格者に対し、面接による選考を実施します。面接選考結果(合否)を文書で通知し、合格者を採用します。 |
参考URL | https://www.city.kitakata.fukushima.jp/site/iju-info/43865.html |
備考・その他 | 活動内容は以下のターンズのインタビュー記事も参考にご覧ください。 (※本募集は前年からの継続募集ですが、前年の募集時の紹介記事です。) https://turns.jp/66929 |
お問い合わせ先 |
喜多方市 企画政策部 地域振興課 きたかたぐらし推進室 |
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